家族や友人、または恋人がてんかんを抱えているという事もあるでしょう。その時に、周囲が一番に気をつけたいのが発作時の対処です。
正しい対処ができれば、一緒の外出も不安ではありませんし命を守る事もできます。
ここでは、てんかんの発作時の対処法について詳しく解説します。
・発作時の症状
まずは、てんかんの発作時の症状について知る事が大切です。発作だとはっきりわからないのに様々な対処をした場合、逆に危険な状況になる事もあります。
てんかんの症状といっても、発作が脳のどこで起きたのかなどによって違いがあります。そのため、一概に全員が同じ症状とは言えません。
代表的な症状としては、意識がなくなりその後けいれんを起こすというものです。
また、意識がなくならなくてもぼんやりしていたり、手や口を動かしたりします。
意識は、数秒から数十秒途切れるとも言われています。
また、人によりますが意識を失った後に手や足がビクッと動く事もあります。
・発作時に確認しておく事
てんかんの症状で倒れた人がいた時には、まず周囲が安全かどうか確認しておきましょう。
もしも、人通りが多かったり車の往来があるような場所だったらかなり危険な状態です。すぐに、安全な場所に移動しましょう。
この時に意識したいのは、直射日光が当たらない場所です。木や建物の影になる場所で、ゆったりと横になれる場所を探しましょう。
けいれんが起きたからといって、必ずしも眠るとは限りません。意識が朦朧としているだけの場合があります。周囲に物があるとぶつかってケガをする恐れもあります。もし、周囲に危険な物があるようだったらどけておく事も大切です。
・服装をチェック
まずは、服装をチェックしておきましょう。たとえば、ネクタイやベルトというのは体を締め付けるので、素早く取っておく事が大切ですし、シャツのボタンがきつそうなら外してあげましょう。
また、女性の場合はブラジャーが締め付けている可能性があります。外してあげると楽に呼吸ができます。
また、眼鏡をかけている場合は寝返りを打つとレンズが割れてしまう恐れもあります。安全のためにも、眼鏡は外しておくようにしましょう。
室内の場合、危険性は少ないと思っていませんか?実は、室内も十分危険なのです。
たとえば、寝かせた側に鏡やガラスがあった場合は危険ですし、ソファなど高い位置で寝かせておくのも危険です。
・体勢を変える
意識がない場合、仰向けにしておく事はかなり危険です。
なぜかというと、発作後には胃の中の物を吐き出す恐れがあります。もし、仰向けのまま吐いてしまった場合は喉に詰まって窒息してしまう可能性があるからです。発作後は、横向きに寝かせるようにしましょう。
また、この時には口元にも気をつけましょう。けいれんしている間というのは、舌を噛んでしまう事があるからです。
・記録を残しておく
てんかんの発作が起きた時には、側にいる人は必ず記録を残しておきましょう。その理由は、発作時の症状というのはその後の治療に大いに役立ちます。患者本人が記録をとるという事はかなり困難なため、側にいる人が正確に記録しておく事が重要になるのです。
メモ帳に書いておくのもいいのですが、すぐにメモ帳がない場合もありますし、急いでいると文字が乱れてしまったりして、正確な状態を記録できないかもしれません。
スマホを持っている場合は、家族だったら動画で撮影をしたりVoiceレコーダー機能を使って録音しておくというのも得策です。
・発作時にしてはいけない事
実は、発作時に絶対にやってはいけないという事があります。
まずは、けいれんしている間は無理に手で抑えたりしない事です。
けいれんがおさまるまではそっと見守りましょう。
薬を飲ませる事です。早く回復して欲しいと願うあまりの行動なのですが、この場合は誤嚥の可能性が出てきます。
同じ理由で水も駄目です。
・救急車を呼んだ時にできる事
てんかんの発作が起きたからといって、必ずしも救急車を呼ぶ必要はありません。ですが、いつまでも発作が収まらないなどあまりにも症状が重い場合には救急車を呼ぶ必要があります。
目安としては、10分程けいれんが続いだ時には救急車を呼ぶようにする事が大切です。
この時には、救急隊員に現状を詳しく報告する事が大切です。いつからけいれんを発症しているのか。どんな状態なのかについて詳しく教える事によって、迅速な対応が可能に成るからです。
てんかんは、決して珍しい病気ではありません。
ですが、急に意識を手放してしまうため場所によっては危険を伴う事もあります。
側にいる人は、てんかんの発作が始まった琴がわかったらまずは安全性を確認しましょう。そして、衣服の締め付けを緩めたり眼鏡を外してリラックスさせる事も大切ですし、危険な物を遠ざける事も必要です。
ですが、なかなかけいれんがおさまらないという時にはすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。