商談やプレゼンなどビジネスシーンでは緊張を強いられる場面がいくつもあります。そういう場面が苦手な方は、考えるだけで憂鬱になるのではないでしょうか。特に緊張しやすくあがり症を自覚している方ならなおさらです。性格を簡単に変えることはできませんが、緊張やストレスを緩和する方法ならあります。それがツボ押しです。
東洋医学では、悲しみは肺に、怒りは肝臓に、恐怖は腎臓にというふうに、ネガティブな感情を担当する内蔵が決まっています。内蔵のバランスの崩れによって、各臓器が対応していたネガティブな感情が噴出してしまい、それが目に見える症状となって表れるという考え方です。つまり、東洋医学では心と体には密接な関係があると考えています。
また、人間の体には、血液とエネルギーが流れる「経路」という通り道が張り巡らされているとも考えています。この経路に存在する血液やエネルギーの出入口が「経穴(けいけつ)」、つまり、一般的に「ツボ」と呼ばれる部分です。
ツボは全身に約360個あると考えられていますが、顔だけで60個以上、頭だけで70個以上も存在しています。このツボを指圧や鍼灸などで刺激すると、臓腑の崩れたバランスが良くなり、ネガティブな感情にもうまく処せるようになるという仕組みです。
「ツボ押しなんて効くんだろうか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。最終的には個人の感想になりますが、実際、大事な商談やプレゼンの前に鍼灸院で施術してもらうという人は少なくありません。そういう人たちは、ツボを刺激してもらったことで仕事が成功したと信じています。ですので、緊張を緩和するのに効果があると信じてやれば、ある程度は効果が感じられるのではないでしょうか。
ともかく、ツボ押しは人にやってもらうだけでなく、自分でやることでも効果が得られます。それでは、緊張を緩和するために自分で押すのに適したツボにはどのような種類があるのでしょうか。
緊張すると顔がこわばるという方は多いです。そんな方におすすめのツボが顔にある「上星(じょうせい)」というツボです。髪の毛の生え際から約2センチほど上、前頭部の真ん中に位置します。
顔のこわばりだけでなく、緊張のせいでうまく頭が回らない、また、ぽーっとのぼせたようになってしまうという時におすすめです。また、気温が高い時期ほど頭ものぼせやすくなり、そのせいでうまく頭が回らなくなることもあります。このツボを押して、気持ちからクールダウンすることを心がけるとよいでしょう。
手のひらにも緊張緩和にぴったりのツボが存在します。それは、手のひらの真ん中、拳を作った時に中指の先がちょうど当たる部分にある「労宮(ろうきゅう)」というツボです。
このツボは心臓に関係しています。緊張と心臓に密接な関係があるのは誰でも理解できるでしょう。緊張してドキドキと動悸が激しくなった経験は皆さんあるのではないでしょうか。労宮を刺激することによって、高鳴る緊張を抑える効果が期待できます。
また、このツボは自分で押すだけでなく、誰かに押してもらってもよいです。顔と違って手なら比較的人に頼みやすいですので、大事な商談やプレゼンの前に同僚などに押してもらってはいかがでしょうか。
労宮と近い場所にも、もう一つ緊張緩和に良い「大陵(だいりょう)」というツボがあります。ちょうど手首にあるツボで、手首を曲げた時にシワが寄るところがその場所です。
緊張のせいで睡眠不足になってしまう、くよくよと悩んでしまうという症状に良いでしょう。心臓よりも頭に緊張が出るタイプの人におすすめです。大陵を刺激することで、リラックス効果が得られることがあります。緊張のあまり眠れない夜にもぴったりです。
胸にもツボがあります。両乳首を結んだちょうど真ん中辺りにある「膻中(だんちゅう)」です。緊張するとこのツボの気の通りが悪くなると考えられています。緊張した時に思わず手で胸を押さえてしまうのは、誰でも無意識にこのツボを刺激して緊張を抑えようとするからだとの説もあるほどです。
緊張のせいで動悸が激しくなったりイライラが募ったりした時は、膻中を刺激しましょう。同じく労宮も心臓と関係のあるツボでしたが、両方とも刺激すると相乗効果が期待できるでしょう。
最後に紹介するのは、足にある「光明(こうめい)」というツボです。足の外側、くるぶしから指5本分ほど上に移動したところにあります。このツボは胆嚢と関係していると考えられており、刺激することで胆嚢を丈夫にする、つまり、胆力をつける効果に期待大です。緊張のあまりパニックになってしまう方におすすめします。
以上、緊張緩和に役立つさまざまなツボを紹介しましたが、注意したいのが刺激の仕方です。強く刺激すれば良いというわけではなく、痛気持ちいいぐらいの強さでゆっくり押さえます。5秒間ほど押し続けるとよいでしょう。
ツボ押しでも改善されない強い緊張でお悩みの方には「インデラル」という薬もあります。個人輸入代行サイトにて購入できるので検討してみてください。